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2008年1月18日 (金)

タイ語と中国語

海外生活では絶対に必要になってくる現地の言葉。

私にとって初めての現地の言葉はタイ語でした。

かれこれ10年前。

初めての海外が、出張で出掛けたバンコクでした。

カタコト以下の英語レベルで出掛けた初めてのタイ。

出張先はいきなりバンコク郊外の工場でした。

タイ人の工員ばかり150人ほどが働いていたその工場、当時の現地のマネージャーがタイに移り住んだ日本人で、タイ語は完璧にしゃべれる人でした。

しかし、その人以外に日本語との通訳がいな状況だったため、ほとんどの時間、私は多くのタイ人の工員を相手に、身振り手振りとヘタな英語で四苦八苦していました。

ビザなしで乗りこんだため、30日間しか滞在できなかったのですが、予定は延び、最後はオーバーステイの罰金まで支払っての長い出張でした。

その時の経験が今の自分の基礎になっている気がします。

私が工場で出会ったタイ人の皆さんは、もちろん英語をしゃべれません。

そんな中で、なんとかして私の意志を伝えないといけないわけですから、毎日が真剣勝負なのです。

もちろん相手も私に伝えたい意思があるわけで、お互いの行き違いなど日常茶飯事でした。

しかし、滞在3週間が近づいた頃、突然、相手の言いたいことが理解できるようになったのです。

読み書きはもちろん、基本的な会話も何も教えてもらわずに、出たとこ勝負のタイ語でしたが、追い込まれると何でも出来るようになっていくのですね。

初めての海外で、初めて現地の言葉を理解できるようになった時、私の何かが変わったような気がします。

現地の人と一緒に働き、同じメシを食い、同じ酒を呑んで一緒に笑い、また次の日が始まる・・・・・・・そんな毎日でした。

その後も何度かのタイ出張を繰り返し、どんどんタイ語が面白くなり、益々タイ語が上達し、タイが大好きになり、気がつけば、タイで仕事にありつき、タイに住み始めていたのでした。

ウソみたいなホントの話なので、自慢話でもないのですが、外国の言葉を覚える、ということは、なんとなくそういうことなのかな、と思います。

もし、私がタイに住むことなく、タイを旅するだけの付き合いならば、一生タイ語を覚えることはなかったと思います。

そうしてやって来た中国。

珠海の片隅の小さな町での生活は、まったくもって中国語だけの世界なのです。

今回は仕事上での通訳には困らない状況でしたが、四六時中通訳をしてもらえるわけもなく、かた田舎での日常生活は、中国語だけの世界なのです。

買い物、食事、バスやタクシーの移動などはもちろん、アパートの管理人や隣近所とのつき合いなど、中国語だけの会話なのです。

珠海には広東語を話す人も沢山いるので、広東語で話しかけられることもありますが、中国語と広東語の違いなど、わかるわけもなかった当時の私は、全く理解できませんでした。

最初はやはり、「筆談」です。

小さなメモ用紙とボールペンを常に持ち歩き、困ったときは漢字を書いて相手に見せました。

でも、日本独自の漢字は伝わらないことが多く、勘のいい人は理解してくれましたが、大抵は「わからない」でおしまい。

地名や名詞は問題ありませんでしたが、そのうちに筆談も限界になっていきます。

タイでもそうでしたが、自分の意思を伝える言葉を一番最初に覚えなければいけませんね。

「はい」、「いいえ」

「そうです」、「ちがいます」

「いる」、「いらない」

「わかる」、「わからない」

タイ語も中国語も、これら8個の現地語から覚えました。

それから数字、現在、過去、未来などの時間軸、行く、行かない、食べる、などの動詞に発展させていったわけです。

もちろん、「ありがとう」、や挨拶は第1段階の基本でした。

そうやって少しずつ現地の言葉をしゃべり始めると、周りの人たちは

「この人、しゃべれない人なのに、なんか言おうとしているな・・・・」

という認識で私の言葉を聴いてくれるのです。

タイでは、そんな私を温かい目で見てくれた人が多かった気がします。

でも中国で感じたのは、外国人として認識されていないような、冷ややかな目が多かったですね。

西洋人ならば、しょうがないと思われたでしょうが、中国人と同じ顔をしている日本人は、「一見普通の人なのに、なぜ中国語がわからないんだろう・・・言葉を話せない気の毒な人なのか?」

と思われたり、面倒くさく思われていました。

外国人を見たことがない子供にとっては、まさに「変なおっちゃん」か「宇宙人」のように見えるようで、今でも私の住むアパートの子供たちが私を見かけると

「7階の日本人だ!」

と、ささやきあっている声が聞こえます。

それでもメゲずに努力するしかありません。

そうして中国かた田舎生活なりの、必要最低限の言葉を理解できるようになっていったのでした。

言葉に不自由しなくなったタイから、中国にやって来て最初に感じたのは

「また初めからやっていくのだなぁ・・・」

という思いで、初めてのタイで苦労した言葉の問題を思い出し、中国語も同じやり方で覚えていこうと決心したのでした。

<正しい発音など出来なくて当たり前>

と思えば恥ずかしくもありませんし、間違った発音を笑われても、正しい発音を教えてもらう方が上達も早いですからね。

会話集や辞書などは一切使わず、自分で聞いて、マネしてしゃべって覚える私にとって、

「いきなり現地語・出たトコ勝負生活」

というほうが、性に合っている気がします、と言うか、最初から無理やりそういう生活でしたのですっかり慣れてしまった気がする今日この頃です。

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