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2008年5月 2日 (金)

バンコク アメリカ人と

私がバンコクに移り住む前の話。

バンコク郊外にある工場に、その頃私は毎月のように出張で来ていました。

客先のアメリカ人で、ダグラスというアートディレクターと日本で毎日のように打ち合わせし、私はバンコクの工場に出張して事前に製品をチェックする毎日でした。

そんなある日、アメリカ人のダグラスがバンコクへ来ることになりました・・・

ダグラスは40代後半でカリフォルニアに住む白人。

大阪のユニバーサル・スタジオのアートディレクターとして日本にやってきて数ヶ月。

日本語に興味をもち、独学で覚えた日本語を話す、自称「ヘンな外人」でした。

私はダグラスがバンコクの工場に検査に来る前から工場に乗り込んで、遅れていた生産を間に合わせるべく、毎日毎晩遅くまで工場でタイ人の工員たちと奮闘していました。

ダグラスの検査は2日間。

予定通りなんとか無事に検査を終え、私は次の生産計画を話し合うため1週間ほどそのまま工場に残る予定でした。

検査を終えたダグラスは、休暇を取ってカンボジアのアンコール・ワットへ出掛けるとの話でした。

数日後、ダグラスがカンボジアから戻ってきたらしく、私に電話がありました。

「今日バンコクに戻ってきたんだけど、今夜一緒に食事しないか?」

私はそれまで何度かダグラスと食事をしたことがあったのですが、いわゆる接待だったので、イマイチ彼と打ち解けた話ができませんでした。

休暇中のダグラスと食事をするというのはめったに無い機会でしたので、プライベートな付き合いとして話ができる絶好のチャンスです。

もちろん私は彼の誘いに乗って、早めに仕事を切り上げて、郊外の工場からタクシーを飛ばして彼が滞在しているホテルまで向かいました。

バンコク都内で食事を終え、そのまま呑みに行こう、という話になり、パッポン2にある私のなじみのパブに向かいました。

私とダグラスの会話は基本的に英語。

でも、私の知る英語のボキャボラリーは給料日前の私の財布のように薄っぺらく、限界があるので、ダグラスのほうが私に気を使って、アホでもわかる英単語を選んで話をしてくれていました。

2人でパブに入ると、顔見知りのヌンというタイ人の女が私たちの元へやってきました。

「ハジメマシテ、ワタシはダグラスでっす。ヘンな外人です、ドウゾよろしく・・・」

なぜか?覚えたての日本語で自己紹介するダグラス。

日本語が少しは話せるヌンも大ウケです。

「私の友達で英語が上手な娘がいるから、一緒に呑みませんか?」

ヌンの紹介でやって来たその女はメイという娘でした。

英語で自己紹介するメイ。

私よりも上手な英語でしたが、それから先の会話が上手くダグラスに通じません。

<まいったな・・でも酒呑んでるうちにナントカなるだろ>

私の予想通り、何杯目かの酒のグラス空いたころ、ダグラスも上機嫌になり、私たち4人の会話は大いに盛り上がりました。

<・・・・でもなんかヘンだぞ?>

ダグラスは覚えたての日本語をしゃべりたくてしょうがないようで、会話の半分が日本語です。

メイは自分の英会話を試すいい機会だと思ったようで、積極的に英語で話をします。

日本語が少し話せるヌンは、ダグラスに日本語を教えています。

タイ語を覚えて間もない私は、メイとヌンにタイ語で話しかけていました。

バンコクのパブで、アメリカ人とタイ人、日本人の私が、それぞれの母国語を使わないでなぜか盛り上がる会話なのです。

「カリフォルニア・ロールはバンコクの寿司屋で食べたのがイチバンおいしかったでっす!」

日本の寿司がアメリカに渡って、カリフォルニア巻きという独自の寿司に変化して、日本に逆輸入されたカタチになりましたが、カリフォルニア巻き発祥の地からやって来たダグラスが、バンコクの寿司屋で食べたカリフォルニア巻きがイチバンだ、と言うのです。

なんだか不思議な会話でしたが、おかげで私の英語とタイ語も少しは上達し、ダグラスも日本語が使えて喜んでくれましたし、なにより、私と彼はそれ以来、本当に打ち解けた関係になれたことがイチバン嬉しかったです。

またいつか、どこかでダグラスと再会することを夢に見つつ、もしかしてあのパブでバッタリ会う、なんてことがないかなぁと期待している今日この頃なのです。

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